前回の記事では，スクラム開発についてざっくりと解説した。では今回は，実際のスクラム開発がどのような流れになるのかを紹介する。
スクラム開発では，通常１−４週間の細かい開発サイクルを，スプリントと呼ばれる単位で繰り返していく。以下の流れを，１つのスプリントの中で行うことになる。
計画 → 実装 → テスト → 振り返り → 改善 → 次のスプリントへ
では，この流れをより詳細に説明しよう。
スプリントプランニング
スプリントの最初の計画の部分は，スプリントプランニングと呼ばれるミーティングで行われる。スクラムチーム全員で集まり，プロダクトバックログ（スクラム開発でのToDoリスト。別の機会で解説する予定）をReviewして，このスプリントで行うべきタスクを決める。この時，以下のことを注意する
- 優先度の高いものから計画する
- それぞれのタスクを，細かく分割する
- それぞれのタスクを終わらせるのにどのくらいの時間がかかるのか，チームで見積もりをする（この時見積もる数値をストーリーポイントと呼ぶ。）
こうしてそれぞれのタスクを，分割し見積もりをした後，チームがこのスプリントで終えられる仕事量（チームが１スプリントでこなせる仕事量をベロシティと呼ぶ。）だけ，優先度順に計画する。
スプリント期間
実際のスプリント期間は，スプリントプランニングで計画したタスクを実行していく。主に実装やテストの部分。スプリント期間中は，DailyScrumと呼ばれる，15分ほどのショートミーティングを毎日行う（ScrumMasterがOrganaizeする）。DSUの中では，各チームメンバーが
- 昨日までにやった進捗
- 今日やること
- 何か困っていることがあるか
を報告する。困っていることがあれば，スクラムマスターを中心にチームで解決しよう。
スプリントレビュー
スプリントの最後には，スプリントレビューを行う。このスプリントで作成したプロダクトを，POやその他のステークホルダーに見せてレビューをしてもらう。ここで承認されることで，タスクを完了したり，フィードバックをもらって新たなタスクが発生したりする。
レトロスペクティブ
もうひとつスプリントの最後で行うことがある。レトロスペクティブと呼ばれる，スプリントの振り返りである。このスプリントを通して，「よかったこと」「悪かったこと」「改善したいこと」を話し合う。ここで出た改善点を，次のスプリントや，スプリントプランニングに活かすことが重要。
以上が１スプリントの流れになる。
このように，スプリント単位で「短期間で小さく作り，振り返り，改善する」ことを繰り返すのが，スクラム開発である。
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